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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第12章 いつもと少し違う朝の日常
「あんたたちいい加減にしなさい!」

 コーヒーのカップを乗せた盆を手に持った美土里がそこに立っていた。
 眦をギュイッと釣り上げた美土里が……。

「だって、お兄が……」
「美里がいつまでも煩いからだろー?」

 まだ続く兄妹喧嘩に、美土里の堪忍袋の緒が切れる。

「いつまでやってるの!遅刻するわよ!?」

 母の頭上には長い角が生えていた。
 美土里の剣幕に、二人は借りてきた猫のように静かになると同時に返事をする。

「ハーイ……」

 ◆◇◆

 黒い門扉を開けて車道に出ると、左手に同じ高校の制服を着た見知った顔が出迎えた。
 同学年で幼稚園からの長い付き合いの隣人、相原千佳《あいはらちか》だ。
 所謂、幼馴染というやつ。
 腐れ縁もここまで続くと男友達と変わらないものがあるが、千佳の容姿がそれを増長させている部分も否定はできない。
 少年のような栗色の短い髪と、陸上少女らしい天然の小麦色の肌。
 腰のラインが貧弱で胸の起伏はささやか……華奢と言えば聞こえは良いが、色気とは縁遠いボディライン。
 だからと言って、真吾が貧乳を否定しているわけではない。
 ギャルゲーでもアニメでも、貧乳女子は立派な属性だ。二次元のチッパイ少女には、幾らでも魅力的な雰囲気の子は沢山いるのである。
 故に、千佳に足りないのは女性らしい――それ以前の、女の子らしい雰囲気。千佳には男がグッとくるような雰囲気がまるでない。
 それはきっと、容姿に伴った男の子っぽい性格にもあるのだ。
 キッパリ、さっぱり、ハッキリ。
 千佳を表現するに相応しい三つの言葉である。それは千佳の長所でもあるのだが、女の子らしいかと聞かれると……。

「珍しいな――今朝は陸上部の朝練は?」
「真ちゃんおはよ~。寝坊し――ふあぁ~……」

 語尾をしっかり体現するように、千佳は大きな口を開けて眠そうに息を吐いた。乙女という言葉がさよならしそうな見事な欠伸だ……。
 こいつ……女子高生という自覚はあるのか?
 そんな千佳をたおやかな女性の声が呼び止めた。

「千佳、ちょっと待って……」

 千佳の後ろから現れたのは息を切らせた、30歳そこそこに見える佳麗な女性。
 ウエーブをつけた長い髪を一つに結わえた、実際は39歳の美熟女――千佳の母親の相原千鶴子《あいはらちずこ》である。

「何さ母さん、息切らしてさ」
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