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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第12章 いつもと少し違う朝の日常
「ああ、びっくりした……何だよ大きな声で」
「そのまま喋るなぁ~、息が~~~!」
「何だよ、別にいいじゃんか……ケチ」

 千佳はこそばゆそうにモゾモゾと身悶えながら、頭を背けるように遠ざける。
 しかし邪魔する髪のない首に、結局は真吾の息が直撃してしまうようだ。千佳は酷くくすぐったそうに顔を顰めた。
 終には真吾の頭を向こう側へ押しやろうと、グイグイ手で退けようとする。

「クラクラするんだから少しくらい肩かしてくれてもいいじゃん~」
「も~!重いよ~、いい加減にしろよなーッ」
「何ならこのまま引きずって行ってくれていいよ~」
「ボクに真ちゃんが運べる訳ないだろ~ッ。身長差を考えて~……!」

 肩に抱きつくようにしな垂れ掛かると、千佳は酷く焦った顔をした。
 千佳がいきなり暴れ出すものだから、体勢が前方へ崩れた。

「いい加減に離し――わわ……!」
「危な――」

 流石に華奢な千佳の身体では支えきれずによろけた。
 グラリと後ろによろめく千佳の細い肢体を、真吾は千佳の腰に急いで腕を回して支えようとする。腰が抱き寄せられたような形で、千佳は真吾に抱き竦められた。

「おっと。ふざけ過ぎた――って、何を赤くなってんの?」

 千佳はギョともドキともつかないような、引き攣った表情のまま硬直していた。

「な…………な、なってないから!いーから離せ!」
「いきなり暴れるな――ぐは……ッ!」

 再び千佳の拳が鳩尾にクリーンヒットする。よろめいた真吾は、今度は地面にうっつぷした。
 腕から開放されて、ホッとしたように息をつく千佳。
 千佳の顔は緊張したように強張り、頬が矢張り赤くなっていた。
 やっぱり赤くなってるじゃねーか、嘘つきめ……鈍い痛みを訴える腹を抱えて、遅まきながら思春期でも来たのか千佳は……と、真吾はそれを少し憂鬱に感じた。
 以前はこの程度のじゃれ合いは普通だったはずなのにな――と。
 千佳は女を意識する事なく接する事ができる、数少ない周辺女性の一人だ。そうでなければ長く続く事はなかったし、女性を避けていた頃に遠ざけてしまっていたに違いない。
 少し過度なスキンシップも平気でできてしまう千佳は、真吾にとって大切な友達であり家族みたいなものだ。
 だがそんな千佳にも、じゃれ合いへの羞恥が生まれたのかと思うと……少しだけ寂しい気持ちになった。
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