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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第12章 いつもと少し違う朝の日常
 何とも儚げな感じの女の子だ。姿は少し変わっているが、頼りなくて可愛い雰囲気の子だなと真吾は思った。
 お見合い状態の解けてない真吾に、千佳の横槍が入る。

「真ちゃんいつまでボサッと突っ立ってんのさ!早く履き替えなよ」

 声の方へ顔を向けると、どこかイラついた雰囲気の千佳が立っていた。
 さっきまで機嫌は悪く無かったはずなのに、知らないうちに機嫌が悪くなっているのは、この年頃の女子には良くある事なようだ。
 千佳も例外では無いのかと思うと、真吾は気鬱な気分になった。

「ボサッととは何だよ。別に待ってなくても――先に行けば良いだろ」
「置いてったって後で怒られたくないもんねー」

 そう言って千佳は「べー」と舌を出した。
 別に怒らねーよ……幼稚な膨れっ面の千佳に嘆息しつつ、真吾は靴を脱ぎ始める――不図、横を見ると未だ動けずにいる美奈に気がついた。
 立ち尽くすような姿の美奈が、真吾は困っているように見えた。会話途中で横槍が入ると、立ち去って良いのか迷う事がある。美奈の困惑した雰囲気は、まさにそんな感じ。
 特に会話をしていた訳でも無いので、自由に立ち去ってくれて構わなかったのだが……美奈は、そういった事がとても苦手な子なのだろう。
 ここは自分が気を利かせてやるべきなのだろうなと、真吾は思った。

「じゃーね、大崎さん。同じクラスなのに朝にじゃあも変だけど」

 急に自分の方へ向いた真吾の笑顔に、美奈は焦ったように真っ赤になった。
 急いでコクコクと首を振る美奈に、漫画やアニメだったら、彼女の頭の上に飛び散る汗かなんかが描かれてそうだなと思って、真吾は少しおかしくなった。
 本当に自分以上に内気で恥ずかしがり屋さんだ。真吾は彼女と自分が喋ったら会話にならなそうだなと思った。
 彼女との接点なんて、お互いに〝絵を描くのが好き〟程度で他に何もない。美奈は美術部だが、真吾は帰宅部。クラスでも席は遠いし、同じクラスになってから会話をした事も一度もない。
 ここまで接点がない相手と接する機会などそうはないから、気にする事もないよな――と考えていると、今度は千佳に首根っこを摘まれた。
 振り向くと機嫌が更に悪化している千佳の顔があった。

「いつまでボクを待たせるつもりなんだよッ」
「先に行けばって言っただろー?何なんだよ今朝はやけに突っかかるな」
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