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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第13章 妹の様子がおかしいのだが
 立ち昇る湯気のような靄のようなもの。
 それは黒く禍々しい色をしていた。
 腹部に当てた手を通じて視えるその靄は、俗に言う瘴気と呼ばれるモノではないのだろうか。
 真吾の心に動揺が走る――事実だと言う事は、僕は……。

「お兄……何かあった?」
「うん……」

 訝しげに尋ねる美里に、真吾はすぐに答えられなかった。
 どうしてこのような事になったのかと言えば、美里を介抱してやっていたのが原因だった。
 いつもは元気印の美里が、家に帰ると珍しく体調を崩して寝込んでいた。晩御飯の終了後には美土里もダウン――父の滝川真二が仕事から帰るまで、寝室で横になると寝込んでしまった。二人ともダウンて……風邪でも蔓延してるのか?
 真吾は晩御飯をスルーした美里の為に、杏仁豆腐を部屋まで運んでやった。
 美里の状態は悪かった。酷い発熱と発汗でパジャマが汗びっしょり……着替えさせた方が良いなと真吾は判断した。
 美里は自分で着替えるのも困難なほど衰弱していた。
 美土里も起きられないし、真二もまだ帰らないし、真吾以外に手の空いた家族がいないのだから本当に仕方ない。悪化したのは真吾が放って置いたからだと後で恨まれても困る――真吾は美里の着替えを手伝ってやる事にした。
 生返事とはいえ美里から了解は得られたから、これで安心して手伝える。兄が相手でも素肌を見られたく無いらしい年頃らしい羞恥心が、今朝の事で美里にも芽生えていたのを知ったので、流石の真吾も無断で剥くのは気が咎めた。
 不承不承なのだろうが、それだけ状態が差し迫っているという事なのだろう。きっと美里は猫の手でも兄の手でも借りたいくらい、ベタベタな身体と湿ったパジャマが気色悪いのだと思う。
 妹の身体に何か思う事など無いと真吾も思っていた。状況が状況だし、それどころでも無いとも思っていた。
 しかし脱がせる段階になった辺りから――変な空気が漂い始めてきた。
 妹の様子がおかしいのだが。
 指が肌を掠めただけで、ドキッとするような声を出すのだ。
 部屋は薄暗さも手伝って、インモラルな空気が漂い始めていた。いや……美里は意識して無いのだから、その気になっているのは自分だけだ。
  そんな空気の中で、苦悩しながら妹のパジャマの上着を脱がせていくと、見るつもりの全く無かったモノが目に入ってしまった。
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