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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第15章 和解
「目が覚めた?」

 沈黙が過ぎり、気重な空気が二人の隙間に流れる。
 美里は、気まずそうに顔を伏せたままで尋ねた。

「お兄……あたし、どうしてたの?」
「少しだけ気を失ってた……」

 自分の方を向いて欲しく無さそうに、目を逸らす美里。
 だいぶ手荒な真似をしたからな、そんな顔されても仕方ない……真吾も目を合わせ辛そうに、どこか遠くを見ていた。
 真吾は、サイドテーブルに避難させて置いた堕児を手に取ると、美里の目の前にぶら下げて見せた。

「これが堕児だよ」

 視界のすぐ前で兄の精液と美里の愛液を纏い、僅かにぶらぶらと揺れる、臓器を思わせる色調の奇怪な生物。
 本当に、自分の身体にいたんだ――驚愕に揺れる美里の瞳は、そう言っているようだった。

「だいぶショックな顔してるね。僕も、これを放って置くとどうなるのかまでは知らない。これは幼生らしいから、成体になるんだとは思う。美里の身体の堕児は死んだから、もう脅威は去ったよ……」

 堕児の死体をサイドテーブルに置き直すと、真吾は美里の細い肩をそっと抱きしめた。
 美里は何とも言えない複雑な表情で、俯いていた。
 ここまでやり込めてから後悔するのも、どうかとは思う。
 美里を助けたいが為に手を掛けたとはいえ、本来は必要の無い束縛を強いるなんて……少しやり過ぎたという思いはあった。
 正直に懺悔するなら、半分以上は性欲だ。

「だいぶ乱暴な事して……ごめんな」

 そう言うと、美里は頬をプクッと膨らませた。押したら空気がブーッと出そうな膨れっ面……美里は戸惑いと怒りで、困ったように口を尖らせていた。

「怒ってる……かな」
「……当然じゃない……」

 不貞腐れた横顔に、悲しみが差す。
 妹の表情に、時が再び溶け出したようだった。思い出したように、心に痛みが蘇る。
 痛みを感じないように、思考できないように心を止めた。理性を留めていては抱けなかったと言っても、美里は理解できないかもしれない。

「ごめん……言い訳っぽいけど、助けたくて抱くのを決心した気持ちは本当だよ。さっきも言った通り、堕児は僕の精液でしか死なないんだ……」
「それは理解したけどさ……お兄はこんな事して、あたしとの仲が壊れるって思わなかったの?」

 遣る瀬無い悲しげな表情の美里に、真吾の心が締めつけられる。
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