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身代わりの夜
第14章 熱愛目出し帽
 コットン生地の優しい肌触りが、デリケートな粘膜とこすれる、もどかしくも微妙な刺激。
 それに伴って、ぬちゅ、くちゅ、という卑猥な音が耳の奥にはっきりと届く。
 空気ではなく身体の中を伝わってくる、生々しい卑音だった。

 肌に張りつく感触からすると、本当に染みが浮いているのかもしれない。

「やめなさいって……もう」

 背中を丸めて、腰を落とそうとする。
 ウェストをがっちり抱えられて、身動きがとれなかった。

(こんなに濡らして……まるっきり欲求不満の淫乱じゃないの)

 軽くいじられただけで昂奮してしまった淫らな官能の証し。
 上司という立場の年上の女が若い部下に知られるには、あまりに不甲斐ない物的証拠だ。

(うう、ショーツを脱がされた方が、まだましかも)

 指の玩弄は執拗につづく。

 たっぷりと湿り気を含んだ布が、牝の割れ目に食い込み、さらに水分を吸収する。
 恥ずかしさで、秘裂がいっそう濡れてくる。
 情けないことに、もっと強い刺激が欲しくなる。

 だけど、部下の指はゆるやかな前後運動を繰り返すきりだ。
 薄布を通して、最も感じる肉の尖りに触れるか触れないかの動きが、じれったくてしかたない。

 それでも、自分の口からおねだりするなんて、とても無理だった。
 ついお尻を揺らしてしまう。
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