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身代わりの夜
第20章 エピローグ/週末ふたりきり

 ぐちゅっ、ねちゃっ、ぶちゅっ――

 あさましい淫音がリビングに響き、発情した牝の匂いが、牡の劣情を煽った。

 亜沙子の感じている愉悦が、啓太の肉棒をいきり勃たせる。
 欲情に我を忘れた男根が、もっと感じろとばかりに媚肉をえぐりまわす。

 その繰り返しの中で、ふたりの気持ちはひとつになって、ぐんぐんと高みに昇っていく。

 気持ちよさに息もできない。

 それでも、口づけはつづけていた。
 男女の舌が、二匹の蛇となって絡み合った。

 肉棒は女体を貫き、牝穴は剛棒を締めつける。
 分かち合う恍惚はどこまでも深まっていった。

 とうとう亜沙子が唇を振りほどいた。

「はあああっ、気持ちいい……
 イッちゃう……わたし、もうイッちゃうわっ」

「ぼくも……うああっ、もう我慢できないっ」

「ひっ……イ、イクッ……ああああっ、イクううううッ」

 啓太が熱い子種をほとばしらせるのと、亜沙子が性悦の頂点に駆け上がったのは、同時だった。
 ふたりの腰がびくんびくんと跳ねまわった。

 陽根をきりきりと締めつけてくる膣穴に、何度も何度も精を注ぎ込む。
 放出するたびに、愛しさが増した。
 すぐにでも次が出来そうだった。

 けれど、焦ることはない。
 今はしばし、甘い至福に身をまかせる。


 朝までは、まだたっぷりと時間があった。


                         (了)
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