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身代わりの夜
第14章 熱愛目出し帽
「もっとはしたない姿を見せて……
 誰にも見せたことのない、課長の本性を見せてください」

 男が囁く。
 声がうわずっていた。

 男も昂奮しきっているようだ。
 ぐいぐいと腰を動かしつつ、夢中で乳房を揉みはじめた。
 指の間に飛び出した乳首の大きさに、びっくりする。恥ずかしいくらい勃っていた。

 愛情など欠片もなく、肉体のみを求められ、たぎった獣欲をぶつけられる。

(それで充分じゃない)

 鏡を見る自分の眼が、いつしか壁の向こうの古森の眼に重なる。
 古森の見ている前で、亜沙子は知らない男に犯されていた。

 オフィスでは、課員全員に見られながら犯される想像をして、イッてしまった。
 オルガスムスに痙攣するあられもない姿を、会社中の男たちに披露した。

 今度は古森ひとりである。
 自分に憧れる部下に、はしたない本性を見せてしまうのだ。
 がんばって働く部下の前で、淫乱きわまる姿で悶え狂うのだ。

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