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身代わりの夜
第3章 かんちがい口唇奉仕
 とたんに唇は離れ、今度はぎゅっと抱きしめられた。

 柔らかな双乳が胸にあたって、むにゅっと潰れる。
 サマースーツは脱いでいたから、ワイシャツを通して火照った体温が生々しく伝わってくる。

 深いアルトの声が、耳元でソフトに響いた。

「……ね、約束してくれるよね。
 誰にも言わないって」

「は、はいっ……もちろんです。
 二人きりの秘密です」

 つい口にした「二人きりの秘密」という言葉に、自分で顔を赤らめる。

(こんな気障なセリフを言うなんて、まるで山野辺みたいだ)
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