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身代わりの夜
第5章 同僚の恋人と
 話題は美容部員の品定めに移る。
 相槌を打ちながらも、啓太は亜沙子のことが気になってしかたがない。

(いや、貴野課長がどうなったって、ぼくの知ったこっちゃないだろ)

 いつしか10時をまわっていた。

 店を出て、夜の繁華街を並んで歩く。
 梨華がそっと腕を組んできた。

 戸惑う啓太の肩に頬をのせて、

「古森くんって、やさしいのね」

 耳元でそっと囁かれた。

「わたし、酔っちゃったな。どこかで休んでいこうか」

 啓太の心臓がドクンと跳ねた。
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