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牝獣の哭く夜
第19章 白百合の臓腑
 諏訪はグラスにウィスキーの水割りを作りながら、

「しかし、このボウボウのマン毛はいかんな。
 クールビューティの股間に、黒ぐろと生えているのもそそるといえばそそるが、少し濃すぎる。
 手入れが必要だ」

 その指摘に、沼田はあらためて美貴の股間を見た。

 なだらかな丘陵に密生した漆黒の草叢は、続けざまの暴虐で、嵐の後の草原のように乱れ、そそけ立っていた。
 ちぢれが強く、毛足の長い陰毛は、たしかに白く気品ある裸身の中で、黒くくっきりと目立つ。
 しかし、それはそれで、猛々しいというよりは、あでやかに美しく、官能的な眺めだった。

「俺は、濃いのも好きだけどな――剃っちまうか」

「うん。それがいい。つるつるにしようぜ。
 小生意気なインテリ美女がつるマンにされて、どんな反応を見せるか、楽しみだ」

 この艶やかに黒い茂みを、一本残らず剃り上げる。
 成人女性の誇りともいえる翳りを奪う行為は、沼田にとってもこの上なく刺激的だった。

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