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牝獣の哭く夜
第19章 白百合の臓腑
 両脚をM字に開いているため、陰唇から肛門にかけての繊毛が目立つ。
 下腹部の濃密な翳りをすべて失ったのに、そこにだけ短めの陰毛を生やしているのが、たとえようもなく卑猥だった。

「次は股の間だ。
 沼田が割れ目の周りの毛を剃ってくれるぞ」

「はあン……恥ずかしい……恥ずかしいわ……」

「恥ずかしいから、うれしいんだろう」

「そんなこと、ない……いやなんです……」

「だったら感じるな。
 剃り終わったあと、もしクリトリスを膨らませていたら、言い訳はできないぜ」

 沼田はシェービングフォームを、ぽってりと肉厚の陰唇の両側から尻の狭間まで盛り上げる。
 指先でひだを伸ばし、慎重に剃り上げてゆく。

「動かないでくださいよ、課長。
 大事なところに傷がついちゃいますから」

 部屋に聞こえるのは、美貴の熱い吐息のみとなった。

 最後は肛門周りだ。

 複雑な曲面を、器用にレイザーを扱って、細い毛まで丁寧に剃ってゆく。
 羞恥に耐えかねるのか、ときどき、中央の皺穴がキュッと窄む。

「ほら、お尻の穴をヒクつかせないでください。危ないから」

「う、うう……」

 沼田の言葉に、自分がどれほどはしたない姿をさらしているのかを悟ったのか、美貴はうめき声をあげた。

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