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滲む墨痕
第3章 雪泥鴻爪

 藤田の膝が潤の脚に当たりそうで当たらない妙な距離感の中で、「さて」と低い呟きがしっとりと響いた。

「これは法帖といいます」
「ほうじょう……」
「うん」

 軽く相槌をうった藤田は、積まれたそれを一冊ずつ降ろしていく。

「先人の筆跡を拓本にとり、鑑賞用に仕立てたものです」

 その説明とともに、十冊ほどの法帖が重なり合いながら机の上に所狭しと並べられた。それぞれ様々な色合いの表紙――中には部分的に色褪せた年代物らしきものもある――には、おそらくタイトルであろう漢字が縦に並ぶ。当然ながら潤にはなんと書いてあるかわからない。

「まずは第一印象。どうぞ手に取って中をご覧ください」

 その愉快げな声に背を押され、潤はとりあえず手前にある群青色の古そうな一冊を手にしてみた。よく使い込まれているような手触りを感じながら、ゆっくりとページをひらいていく。

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