この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
滲む墨痕
第3章 雪泥鴻爪

「……やだ、美代子さん。あの人と同じこと訊かないでください」
「あの人? あ、若旦那様か」

 潤がわずかに顔をこわばらせると、美代子は「うふふ」と上品に笑い、妖艶な眼差しをよこした。

「肌つやがいいのは、そういうわけだったのね」
「えっ」
「隠さなくていいのよ。そっか、若旦那様はイケメン書道家に嫉妬したんだ。それで、ね」
「美代子さん……」
「いいじゃない、夫婦なんだから。羨ましいくらいよ」

 美代子は清々しい微笑みを浮かべると、ふだんのさわやかな美人仲居に戻った。

「そろそろ時間ね。別棟の宴会場は忙しいと思うけど、私たち客室係はいつもどおりの仕事をしましょう」
「はい」

 頼もしい先輩に、潤も笑みを返した。

 後ろから獣のように突き上げてくる夫が怖かった。最後のほうはただ痛みに耐え、感じたことのない恐怖にひっそりと涙を流した――。いくら親身になってくれる美代子にも、それだけは言えない。

/335ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ