この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
滲む墨痕
第3章 雪泥鴻爪

 空になった皿を下げ、次の料理を運ぶ。合間に酒の追加注文を聞き、「この料理に合う日本酒を」と言われれば急いでベテラン仲居に訊きにいく。迅速な、しかし丁寧な対応を心がけた。

 季節の魚介のお造りや地産の和牛を使ったすき煮など、料理長自慢の料理が並ぶ膳を前に、酒が進む客たち。
 そんな中、追加の瓶ビールを下座付近の客に届けると、さきほど料理について尋ねてきた男性が「お姉さん」とふたたび声をかけてきた。

「来てくれたついでにお酌してほしいな」
「あ……」
「おばちゃんより、若くて可愛い子に注(つ)いでもらった酒のほうがうまいからさ」

 ふっくらとした狸顔をにやりと緩めた男性の隣で、おそらく男性と同じくらいの歳の眼鏡をかけた女性が、苦い顔で「失礼ね」と呟いた。

/335ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ