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第1章 プロローグ

そう、この日までは…

「お兄ちゃん、お腹すいた。」

「うん、そうだね。マムが作ったカレーを食べよう。」

ジョアンナはまだ３歳、シッターの仕事は、母が仕事に出る直前にやってきて、夕飯の残り物を妹に食べさせ、遊んでやって妹を昼寝させること。

スクールから帰った俺は、母が夕飯を作り、身支度を終えるまで、静かに勉強して妹を起こさないことが日課だった。

妹は母が出勤した後起きてきて、こうして俺と一緒に夕飯を食べる。

そして食後に少し一緒に遊んで、風呂に入れてから一緒に寝る。

可愛いジョアンナ、
俺にとって妹は全てだった。

「もう、お腹いっぱい。」

「よそった分はちゃんと食べなきゃだよ。」

妹は食が細く病気がちだ。だから、俺が決めた分は何とか宥めて食べさせる。

同じ年の近所の子供よりジョアンナは小さくて痩せている。だから病気になりやすいんだ。
この時の俺はそう思っていた。

「ごちそうさま。」

「ジョアンナ、おかわりはしないのかい？
今日はカレーがたっぷりあるぞ？」

「もう、いらない。」

いつもより大量のカレー、作るのが面倒で沢山作ったのかな？と思っていた。