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two roses & a lily
第3章 クリスマス


俺はハッとさせられた。自分だけ施設に慣れて、牧師さまに愛されることに頭がいっぱいになっていたことに気づかされた。

ジョアンナの願いは、施設に連れてこられた時から変わらないままだ。
施設でなく、俺と暮らして二人で生活したい。ここに来る前の生活に戻りたいのだ。

自分のことばかり考えて、ジョアンナの気持ちを探ることもしなくなっていたことを責めた。

「お兄ちゃん?大丈夫?」

「う…うん、大丈夫だよ。いつかジョアンナの願い事叶うといいな。」

「無理だよ、叶わないことを描くんでしょ?」

「今すぐは無理かもしれないけど、俺が働ける年になったら、必ず実現させる。
それに、一緒に寝るのは無理でも、こうやって昼間に本を読んであげることはできるよ。」

「そうだけど、真っ暗になるのが怖いの。お兄ちゃんとくっついて寝れないのが嫌なの。」

「そうか、そうだよなぁ。」

俺はジョアンナを抱き締めた。
そうすることしか出来なかったのだ。


クリスマスのミサの後、ご馳走やケーキやお菓子を食べて皆で楽しむ。
そこで何人かの手紙が読まれた。



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