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第1章 プロローグ

「マム、カレーを作り過ぎちゃったんだって、だから、またカレーだよ。」

昼にも食べただろうカレーをまた食べさせる為に、さらに嘘の上塗りをして、カレーをテーブルに出す。

食の細いジョアンナには、何度も同じメニューだろうが関係ないらしく、嫌がりもせず食べ始めた。

いつもと同じように二人で風呂に入りベッドに入る。
ジョアンナは違うお姫様のお話をせびってくるので読み聞かせて寝かせた。

アンの剣幕に不安になる。マムに何が起きたんだろう。

帰ってくるまで起きていようか…
そんな事を考えていたのに、ジョアンナに引き込まれていつの間にか眠ってしまった。



朝起きて一番にマムの寝室に行く。やはり昨日も帰ってきていなかった。

さてジョアンナにどう話そうか…
重ね始めた嘘にさらに嘘を重ねた。

「おはようジョアンナ、マムは今日は早くからお仕事に出掛けちゃったよ。」

「じゃあ帰ってきたのね、今日はケーキ二つかなぁ。」

もちろん何も知らないジョアンナははしゃいで喜ぶ、だんだん嘘をつくことが寂しくなってきた。