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保健体育の授業
第4章 大事件の発生

『でも…私に何をしてあげれるだろう…
…李久のこと何も知らない。
今、広大が教えてくれたことだって
すべて今知ったこと。
そんな私が急に首を突っ込んで
李久は傷ついたりしないかな…』
ぐすんぐすんと鼻を啜りながらも
やっと落ち着いてきたところで
広大がある提案をしてきた。
『あのさ、先生。
俺のテストの結果…
クラスで2位だったんだ。』
何でこんなときに…
少し苛立ちさえ感じた。
『こんな大事な時にそんな話しないで。』
口調は自然と強くなる。
『そうじゃなくて…
俺の約束は確かに二人でって
お願いしたけどそこに李久を入れて
あいつと俺を家に招待して。
そして、皆で飯…食いたいんだ。』
『…え?…皆でご飯?』
『あいつも俺も家族で飯食うこと
あんまないんだよ。
だから…あったけぇうまいご飯を
食いたいんだ、李久と、先生と。』
『…そんな簡単なことでいいなら…
そんなことで私が力になるならやるわ。』
『じゃあ、俺明後日の練習、
トレーニングだけなんだけど
明後日でもいい?』
部屋も片付いてないし、
レシピも何も考えてない…
でもそんなことより李久のことが
心配で仕方なかった。

