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保健体育の授業
第4章 大事件の発生
『だけどそんなん李久にとっては
面白くねぇじゃん。
学校では結構強気なタイプだったから。
んで、李久と柏木ももめて。
殴り合いの喧嘩したんだけど
めちゃくちゃ思いっきり柏木が
李久のこと殴ったらさ…
あいつ泣き出して…
″本気で殴ってくれたのは
お前が初めてだ″
って言ったんだ。
足りなかったんだよ、愛が。
誰しもが親からもらえると思って
いたものが李久には与えてもらえなくて
飢えてたんだ、心が。
でもそこから李久は少しずつ
自分を取り戻して行って…
あいつ、掛け持ちでバイト2つも
してるの知ってる?
なのに成績も落とさないように
こっそり勉強して…
自分で学費払ってあとは柏木に
全部渡してたんだ。
こんなに頑張ってんのに…
なんであいつばっかりこんな…
なんとか…何とかしてやってくれよ…。
あいつ、俺の一番大事なやつなんだよ。』
そう願う広大の目には涙がたまっていた。
私は溢れ出す涙を止めることが
できないままだった。
『絶対になんとかする…。
李久にまたちゃんと学校に
来てもらえるように。』
そうは言ったものの正直
李久に何をしてあれられるのかは
わからないままだった。