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第9章 【芳 side】３

お姉さんの話によると、彼氏の勇さんは美容師で、リカのウィッグを提供してくれたのも彼だという。

「今日はいま使ってるウィッグのメンテナンスと、新しい見本を持ってきてやったんだよ！」

「でも、それじゃあ どうしてベッドに？」

「あ、それはね、試着中に僕がバランスを崩しちゃって…」

「それを支えようとした俺が、一緒に倒れただけだ」

「ちなみに私もここに居たから、間違いないわ。安心してね、芳ちゃん」