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官能的大恋愛
第3章 リアルな感覚を求めて
近くの喫茶店で、待っていてくれるって。

まさか、うちのこんな100円ショップに爪切りを買いに来るだなんて。

意外と庶民的。

それよりも、私を普通の女の子だなんて。

Nagには、そう見えたんだね。

いえいえ、それがまた私は普通じゃないんですよ。

今まで、レジって最悪だなぁ~なんて思ってたけど、今日初めてレジを打ってて、良かったって思えた。

もし、これからもNagがうちの店に来てくれるならば、私はレジでもいいかなぁ~♪

なんて思ったりして。

慌ててエプロンを外して、事務所から出て行こうとすると、夕方バイトの学生の子が珍しく私に話掛けてきた。

「あれ、何かいつもと雰囲気違う」

「そうかぁ?」

と、鏡の前で後ろ姿や髪型を気にする私。

何か変なのか?……

「顔、顔」

顔が変なのか?……

「珍しいくらい、笑ってる」

……えっ……。

私は鏡を見ると、確かにどこかネジが緩んだようにニヤニヤしていた。

「デート?」

「違う違う!…じゃあね、お先に!」

「お疲れ様ぁ」

私はそんな自分が恥ずかしくて、口を結んで店を後にした。

坂道でもないのに、自転車を立ちこぎして、待ち合わせの喫茶店へと向かった。
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