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第1章 マドンナはレオタードの眩しい新体操部のエース

一週間ほど前の事だ。郁子は総務委委員長、田辺秀明から『告白』をされた。無論、交際を求められたわけだ。進学校のの敬愛校内でも、三指に入る秀才で医大受験を視野に、生徒内でも絶大な人気を誇る県議会議員にしてＲＴＡを取りまとめる名士の長男だ。クラス委員にして次期生徒会長待望論も根強い、成績優秀の美少女郁子とはこの上なくバランスのとれたカップリングだろう。
「ふふん、お前、素がバレてフラれたんだろ？」
「ばーか、俊とは違うのよ…」
「ま、お前くらいのじゃじゃ馬を飼いならせるのは、俺しかいねぇってことか」
「…もう、わかってるくせに…」

実はこの二人、相思相愛の中だ。いや、意外にも郁子が幼いころから、俊の後を離れないのだ。
『俊は私がいないと何にもできないんだからッ。まぁ、慈悲の心で面倒を見てあげるけど、ね！』
物心ついたときから、俊が聞かされ続けている言葉だ。自然に進学する学校も一緒、クラスこそ違えど離れた事は無く、二人の関係は男女の交際にも発展。初体験は去年の郁子の１６回目のバースデイだった…。
「なぁ、郁子。今夜会おうぜ…」
「ダメだよ、俊…。今日は両親も、早く帰るし」
会社経営者で留守がちの両親の目を盗んで逢瀬を望んだ俊。だが、郁子も言葉とは裏腹に満更ではなさそうだ。この後待ち合わせた二人は、甘い青春の時間を謳歌することとなった…。