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愛してるからこそ...
第9章 小池の悩み



あとこの煩わしいエレベーターに乗り
数歩歩けば朱里が待っている家なのに
こいつのせいで楽しみがイライラに変わる。


「あんたさ別れてねぇし
お前みたいなやつと誰が飲みに行くかよ。」


近所の人には印象よくと思ってもらいたくて
言葉を崩したことなんかなかったのに
イライラしたせいでいつもの言葉になった。

それでも女は微動だにしない。
家を知られたら嫌だからさっさと乗ればいいのに
全然乗る気ねぇじゃん…

次々俺らのわきを通っていくマンションの住人
頼むから同じフロアのやつには会わないようにと
必死で願うばかりだった。


『別れてないんだー。
じゃぁ別れてなくてもいいから飲みにいきましょ?』

「意味がわからん。ってかもう疲れてるんだ。
腹も減ったし早く帰らせてくれよ。」

『お腹空いたならご飯いきましょ』


馴れ馴れしく俺の腕に手を絡めてくる女
それを必死で振り払うとエレベーターが開いて
中から愛しの女が現れた。


「もう!こんなところで何してるの?!
エレベーター使う人の迷惑になるでしょ?」


小さいのに腰に手を当てて怒ったように話す。
朱里は今のこの状況を知っていたかのように話す。




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