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第4章 あとを継ぐ男

『あさイチからすまないね。』

「社長。これは何からツッコんでいいんですか？」

『あはははは！
悪いね結城くん。
浜田くんは前々から退職届が出ていたんだ。
けどこれ以上ごまかせないからね？
君たちに言うともっと辞められなくなるから
僕が言わないように言ったんだ。』

『結城課長。急ですが部長代理をお願いします。』

人事部長の言葉にまず反応したのが朱里だった。


「正人が部長代理！？？」

みんなの注目を集めた朱里は静かに席に着いた。
人事部長の言葉にゆっくりと口を開く。

「あの、部長が退職されたことは分かりました。
そしてこの書類の山の訳も。
でも何で代理が俺なんですか？」

２課にも課長がいる。
ほかの部から部長を連れてこれる。
なのに何で俺が部長代理なんだ。

『ほかの部から営業部長をやり遂げられる人が
見つからないんだよ！ね？
結城くん頼むよー？
もし役員会議で承認されたらそのまま
部長お願いしまーす。』


この会社の社長はほんとにどうかしている。
こんなことを『お願いしまーす』で済ませようとする。

「あの、とりあえずはやりますが
今までみたいにうまくいくか…」