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ROCKな彼女
第10章 Smoking


エレベーターが着くと家の鍵を開け入る。

僕はさてどうやって
タオルを取りに行くかと
玄関で考える。

すると彼女がタオルを持って来た。

『ありがと。家おったん?』

タオルを受け取り頭を拭く。

『もーだから傘持ってけ言うたのに!』

どうやらお怒りのようで。

『ごめんなさい』

僕は彼女に向け苦笑いをしながら謝罪した。

『お湯貯めてあるから
早よ入ってき?あったまるで』

そう言って
リビングに戻る彼女の腕を掴んだ。

『風呂…たまには一緒に入らへん?』

ヘタレな僕!一歩前進!

『……なら早く行こ』

ノッてくるとは思ってなかった僕は
固まってしまった。


やっぱり僕はヘタレだ。
そんな僕を見透かした彼女は
ちゅっと甘いキスをして

『早くして』

そう笑った。

……君の残り香が甘いのは

君から漂う雰囲気か…

優しく燃えるタバコの煙か、

今の僕にはどちらでもいい事だ。
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