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ROCKな彼女
第10章 Smoking
自動ドアが開くたび
ザーザーっと
耳障りな音がする。
『雨酷いな〜』
うんざりした顔で外を見る堤くん。
僕は内心傘持ってくれば良かった…
と後悔していた。
彼女はこんな日に限って
買い物に来ない。
自由気ままな社長業
彼女は家に
引きこもっているのかもしれない。
そう思うと少しだけ腹が立つ。
『市原くんもう上がっていいよ〜』
店長の柔らかな声がする。
一体この人はいつ休んでいるんだ。
それでも僕は家に帰る事を優先する。
『お疲れ様でした〜』
走って家を目指す。
ぐしょぐしょのままエントランスを抜け
エレベーターを呼ぶと
エレベーターの床も何やら濡れていた。
傘を持っていても
これでは足元は濡れてしまう。