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第12章 Trick or Treat

10/31
今夜はHalloween
本来の意味など無視して

大人も子供も
仮装してはしゃぎまわり
お祭り騒ぎ。

愛しの彼女は

Halloween限定で
結成されたバンドの曲を掛け

可愛いお尻を振りながら
まだかまだかと来客を待つ。

『なぁ〜…僕もぅ
アツシんチ行ってくるで〜』

『いってらっしゃ〜い』

音楽に夢中になっている彼女は
僕に見向きもしない。

少しムッとして彼女の背後に立つ。

『…？忘れ…』

触れる柔らかくて甘い唇。

名残惜しく思いながらも唇を離し

『いってきます』

そういって僕はニヤリと笑う。

照れながら

『気をつけてね』

なんて可愛いことを言う
彼女を置いて
僕はアツシの家に向かう。