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第12章 Trick or Treat

『うす。』

明らかにテンションが低い。

少し戸惑っていると、

『ちょいシャワー浴びてくるから
座って待ってて』

そう言って室内に案内された。

床には今日のために用意したであろう。
２つの大きな紙袋。

何に着替える気？
不安がよぎる僕。


少しするとアツシが
ボクサーパンツだけ身につけて現れた。

あまりの刺青に圧倒される。
肌色がない。

生体に築かれたキャンパスも
ここまでくると少し怖い。

だが、そんな気持ちを上回る

どこかおとぎ話を見ているような
絵に目が離せない。

『ん？あぁ
アメリカンポップやねん。可愛くね？』

彼が指さすのは

赤い頭巾を被って口からしたたる血を
妖しい目をして舐めとろうとする女の子。

この人裸でもハロウィンやん。