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ROCKな彼女
第16章 Snow
『ただ役所は
母親が死んだのに冷たいな!
みたいな言い方するから
ムカついた』
彼女のイライラはそこだったのか。
僕は両親がいて
当たり前の生活だった。
彼女は施設のみんなと
いるのが当たり前の生活。
環境は違えど、
求め合うものが合致すれば
それで良いのかもしれない。
気が効く言葉を見つけることが
出来ない僕は
ただ彼女が消えないように
この腕に閉じ込める事しか
思いつかなかった。
それから彼女は悲しむわけでもなく、
苛立つわけでもなく
何事も無かったかのように
いつも通り過ごした。