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ROCKな彼女
第6章 Emotion


『え〜な〜あんな可愛い彼女欲しいわ』

『そう?』

『てか付き合ってどんくらいなん?
あの子は市原さんの何が好きなん??』

そう冷やかしながら聞いてくる。


でも僕は答えられない。

だって付き合ってなんかない。
彼女は僕の事好きだなんて言った事ない。
もちろん僕も

終わりなんてない。
だって始まってもないから。

胸に確かなざわめきを覚える。

だけどそれを
解消する方法なんて知らなくて。
ねぇ僕は君の何?

聞きたいけど聞いたら
消えて無くなりそうなこの時を

自分から壊しに行く勇気なんて
まだ持ち合わせてはいない。




『ただいま〜』

玄関で靴を脱いでいると
リビングから聞こえてくる微かな話声

『………はい。 はい。 分かりました。
えぇ。では失礼します』

僕には見せたことのない
仕事の顔をした彼女。

目が合うと

『おかえり』

そうは言うけど
何となく疲れているような顔。
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