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ROCKな彼女
第6章 Emotion
『市原さん垢抜けたねー』
そう言って堤くんが話しかけてくる。
最近シフト被ってなかったから久しぶりだ。
『うん。お洒落詳しい人に教わってんねん』
『例のあの子もサラっと
持っていったし、市原さんモテ期?』
冷やかされながら品出しを続ける。
『堤くんやってお洒落やん。
カッコよくて羨ましいわ』
お世辞を返してあげた。
『せやろ?
俺これでも夜はホストやってるもん♪
お洒落には敏感やで♪』
びっくりした。
そんなに働いてどうするんだ。
『俺奨学金の返済あるから働き詰めやねん』
堤くんは疲労感を漂わせながら続けた。
ホストって儲かるわけちゃうんやな〜。
何となく掘り下げて聞く気にはなれず
話を聞き流した。
ふと時計を見ると14時25分…
今日は遅いな…なんて考えていると
『シュージ〜疲れた〜』
なんて甘えた声で背中にのしかかる彼女。
『も〜仕事中やねんから邪魔すな。』
彼女を背中から降りるように促す。
『けち!』
顔をしかめながら彼女は怒ったフリをして
買い物を済ませて店を出て行く。