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ROCKな彼女
第7章 Days
2人で笑い合う
好き…
ただ単純な言葉に色んな想いを込めて
相手に伝わるように…
逃さないように…
『…で?もうよろしいかなお二人さん』
その言葉に思い出す。
『アツシの事忘れてたわ』
彼女は意地悪く笑いかける。
『中学生やないんやから
意地の張り合いはやめろよ』
そうアツシは
僕達に向かって呆れた顔をする。
店を出た道で彼女は
『はい』
と手を出して来た。
『?』
本当は分かってるけど
ちょっと意地悪をしてみる。
『手ぇ出してや!1人でアホみたいやん!』
彼女はぷりぷりと怒りながら
僕の手を掴む。
握られた手を握り返して
ジャケットのポケットに突っ込むと
照れたように笑う彼女。
単純…
そう思うのに、愛しい。
こんな事で浮き沈みをする僕は
彼女の麻薬のような空気に
既に飲まれてしまっているのかも知れない。