この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女鑑~おんなかがみ~
第14章 被虐
昨日,花芯を若槻の口に含まれたときに感じた電流よりも,もっと重い衝撃が腰に響いた。
腰から背中全体が熱く溶けるように感じ,それまでは辛いと思っていた圧迫感は,形容しがたい甘やかな感覚になっている。そして,身体の奥深くが,若槻を離すまいとしていることがわかる。身体中がきゅんと締まる。
「ああ,このままでいて,ください」
葵は,夢中で手を伸ばして若槻の背中を抱いた。
若槻の掌がゆっくりと髪を撫でていたことに気づいた。心から幸せだと思った。
「ああ,嬉しい,ありがとう,ございます」言おうとする間にも,身体の奥がぴくんと震えて締まる。
「好き…」葵はもう一度手を伸ばそうとした。

しかし,若槻はその手を握り返そうとはせずに退け,さっきまで身体中を満たしていたものが一気に引き抜かれた。身体中に喪失感が広がる。
「客より先に気を遣るなんてのは,女郎の恥だぞ。浅ましい淫乱女め」
さっきとは別人のような冷たい声がした。
「え……ごめんなさい」
抜け殻になったような身体の奥が,名残りのようにぴくん,ぴくんと震えた。

「疲れただろ,君も,俺は帰るから。」
「え」
「え,じゃないだろ。習わなかったか。自分もさっと着物を着て,こっちの着物を着せて,帳場に・・だろ。ほんと,どうなってるんだか,この店は」
慌てて見送りの支度を整えようとするが,腰にも足にも力が入らない。

何とか自分の着物を整えて帳場についたときには,若槻はもう店を出た後だった。

***************
「ご苦労様,昨日の今日ではきつかったでしょ。ゆっくり休んでらっしゃい」
という千鳥に,
「ごめんなさい,千鳥ねえさん。私,若槻さんを怒らせてしまったかもしれません」
と葵は泣きじゃくった。
「よくわからないけれど,大丈夫じゃないかしら,帰り際に,着物でも誂えてやってくれって,別にかなりの大金を置いてくださったわ。
それから,こんな書付,タイガーの紹介だという客が来たら,葵に相手をさせろって,何かしらね,タイガーって」
「タイガー,英語でトラのことです。若槻輝虎さんのご紹介ということかと・・・・」

若槻さん……
初めて知る甘い感覚に浸りながら,ゆっくりと髪を撫でられていた掌の感覚が思い出され,再び身体の奥が,きゅんと震えた。
/185ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ