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女鑑~おんなかがみ~
第14章 被虐
そういえば,この三日,ここには入っていない・・・・
足を大きく広げた姿勢で縛られたまま,葵はふとそのことに思い至った。
初めて若槻のものを受け入れたときには想像以上の痛みだったが,その後,若槻が紹介した客も,そうでない客も受け入れるうちに,その行為自体にはあまり何とも思わなくなっていた。
それよりも,目の前にいる男が喜んでいるのなら安心する。ただそれも,男が喜ぶことが嬉しいというよりは,「いい女だった」という誉め言葉が,この男を通じて若槻に伝われば,ということを願った。

目の前にいる画家は,明らかに若槻の知り合いだ。
「タイガが女にした身体を描けるのはなかなか楽しみだ」と初老の男は最初に言った。
だから,葵は,当然,この男に抱かれるものだと思った。身動きがとれぬように縛られたまま,この男を受け入れるのだと思った。

だが,画家だという初老の男は,画帳に向かって絵筆を走らせているばかりだ。
葵を縛ったのはひげを生やした厳つい男だったが,葵の姿勢を変えるとき以外は部屋の隅で横になっていたり,たばこをふかしていたりする。

画家の前には,すでに十数枚の絵が描きあげられているが,縛られた姿勢のままではその絵を見ることもできない。
最初のうちは,自分の恥ずかしい姿が,絵になって多くの男たちの目に触れることを考えると,身体の奥が熱くなったが,時間がたつうちに疲れもでてきて,あまりそのようなことを思わなくなった。

なぜこの男たちが女の体を縛るのかといえば,それは女を逃がさないようにしてその行為をするためだろう。
それなら,ただ縛られたままで描かれ続けるよりは,この画家のものを受け入れたいと思った。縛られたまま,あの無表情な画家を受け入れることを思うと,身体の奥から熱い蜜が流れ出た。

目の前の男が口元を動かしたことが気配で分かった。気づかれたらしい。
しかしその男は何やら嬉しそうにうなずきながら,絵を描き続けている。

この画家は一体,何のために私を縛っているのだろうか。
**************
日が暮れかけたころ,ようやくこの画家は絵筆を片付けて,帰り支度をし始めた。
「五助,縄を解いてやりなさい。おかげでよい絵が描けた。これは売れるぞ。君も見るかね。」
五助と呼ばれた髭もじゃの男は,寝そべっていたのが慌てて起き上がり,面倒くさそうに縄を外そうとする。
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