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第8章 合否…そして

「な…なんで！いまごろ？」「今日は合格発表の日だろ！だから早く帰って来たら…なんだこれは！」「それは…」「………」「いつもこんな事やってるのか！」「そんな訳ないよ…そんな訳は…」「いいから服を着ろ！」そう言って父さんは階下に降りて行った。
詳子さんは青ざめた表情で固まっていた。"どうしよう大変な事になった…"
僕と詳子さんは無言で服を着て、二人で１階に降りた。
詳子さんが「申し訳ありません」そう言って父さんに頭を下げた「あの…」「とりあえずお引き取り下さい！」詳子さんの言葉を遮り父さんは強い口調で言い放った。詳子さんは何か言いかけたが、深々と頭を下げ玄関に向かった…「後で電話します」帰りかける詳子さんに父さんはそう言った。詳子さんは振り返りもう一度頭を下げた。そして帰って行った。
"どうしよう、詳子さんに迷惑を掛けてしまった…どうしたらいいんだ"

「賢一、で 試験は受かったのか？」「……」「どうなんだ！」「ごめんなさい…駄目だった…」ふん！父さんはあからさまにため息をついた…
「家庭教師とあんなふしだらな事をしていたら受験に失敗するのは当たり前だ！」「違うよ…それは…」「何が違うんだ！お前は詳子さんと抱き合っていたんだろ！」「いつもじゃない！今日始めて…」「今日始めて？」「僕がお願いして…それで」「あの人は父さんの友達の奥さんなんだぞ！分かってるだろ！」「………」
"父さんはこの事を詳子さんの旦那さんに言うのだろうか？"「お前は人の奥さんにセックスをお願いしたのか？」"旦那さんにバレたら詳子さんはどうなるんだろう…まさか離婚されるとか…"
「あの人もあの人だ！いったい何を考えている！」
「父さん…この事を詳子さんの旦那さんに…」「何！言える訳ないだろうが！」僕は少しホッとした…
「もういい！部屋に行って勉強してろ！」
僕は言われるまま2階に上がりこれから起こる事を想像した。父さんは詳子さんの旦那さんには言わないと言った。確かにこんな事言える訳がない…でも父さんは詳子さんを責めるだろう…僕の受験の失敗を詳子さんの責任だと思っている…詳子さんは悪くない…なのに…詳子さんは僕のせいで…やはりはっきり言わないと…僕が無理やり頼んだ事…
僕はリビングに降りて行った…「はい、今から…ええ、大丈夫ですか、はい…では…」
父さんは電話をしていた…相手は詳子さんに間違いなかった…