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もっと夢を見ていたい
第21章 Ⅴ
淡々と話す。
『婆ちゃんが俺ら三人引き取って
育ててくれたけど妹が成人した途端
身体壊して死んだわ。
んで爺ちゃんボケて死んだ』
『………そうなんや』
『結んとこは?』
『ウチは…放任主義…かな』
『まぁ俺と付き合ってから
連絡とってるとこ見た事ないし
そんな事やろうと思った。』
あんたがケータイ壊したんだろっ
その前に関わり無かったけど
『まぁ親子と言えども他人なんやな』
彼は納得した様に頷いた。
『俺の背中の天女は母親やで』
そんな由来を聞く。
絵に書いたような幸せな家庭は
私達には眩しすぎて見てられない。
それでもほんの少しだけ憧れる。
それ以上に見えない恐怖と諦めが
立ちはだかっているけども。