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振り向けば…
第15章 今日だけやで…



年配の宮崎さんにはキツいけど若い私ならなんとかなるだろうという会社の判断。

分譲マンションのモデルルームを造るという仕事。

既にマンションが建設されてる場合はマンションの部屋をモデルルームとして現地案内をする。

その代わり、モデルルーム自体は中古の扱いになり、不動産会社の損失になる。

だから建設前のマンションの土地の近くに案内所と簡単なモデルルームを設置する。

予約販売は2回に分けて売り出したりするから、1回目のモデルルームを崩して2回目のモデルルームを建て直す必要がある。

その造り直しの時間が2週間しかない。

案内所自体が賃貸で借りた土地の上にある以上、施主である不動産会社はギリギリの工期を申し出る。

1階が案内所で、その2階がモデルルーム…。

既に4LDKの間取りの部屋が造られてるものを内バラシで失くした後、新たに仕切りを入れる。

まるで、そこで生活が出来るような部屋を造り出すのが今回の私の仕事…。

だがしかし…。


「あのクソデザイナー!ええ加減にしてや!」


悠真とご飯を食べながら、キレッキレな私。


「カリカリして飯食うと…、消化に悪いから大きくなれないぞ。」

「やかましい!」


焼肉屋でお肉に箸を突き立てた。


「そんなに酷いんか?」

「常識がない!」


悠真に八つ当たりみたいな会話になる。

販売されるマンションはデザイナーズマンション…。

当然、設計士はデザイナー…。

あくまでもモデルルーム…。

なのにデザイナーからは


「キッチンはこのドイツ製のシステムみたいに大理石張りの流しを設置して貰えるかな?」


とか注文を受ける。

デザイナーが見せて来たカタログを見た。


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