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振り向けば…
第18章 私自身を…



「忘れもんはないか?」

「多分…。」

「まぁ、大型スーパーなんか全国にあるから忘れもんが必要なら買うたらええ事や。」

「贅沢者め…。」

「なんか言うたか?」

「いいえ、お代官様、運転お願いします。」


お盆休み…。

私は悠真と旅行に行く。

4日間しかないお盆休みの真ん中の2日間を悠真と岡山へ出かける。

今日は悠真が借りたレンタカー。

2人だけなのに、ゆったりサイズの大型車。

渋滞でも楽なようにと悠真が用意した車。

旅館も悠真が予約済み。

至れり尽くせりの旅行。

折角、行く旅行はケチると嫌な旅行になる事は学校の修学旅行で学習済み。

だから悠真の旅行はお金を惜しまない旅行になる。

新幹線なら、いつもグリーン車…。

飛行機ならファーストクラス。

ホテルや旅館は三流はお断りの悠真。


「枕に人の髪の毛が付いてたら嫌やろ。」


とか言うくせに部屋は必ず1つだけ。

まぁ、私は連れてって貰う身分だから文句は言わない主義だ。


「眠くないか?」


渋滞を避ける為に朝が早かった。


「大丈夫や。」


朝ご飯を作る為に私は悠真よりも早く起きた。


「眠かったら、寝てもええんやぞ。」


いつものように悠真は私を甘やかす。

岡山までは3時間とちょっと…。

お昼前には付く予定。

お天気はカンカン照りになりそうな予感。

それでも私の為に車内のエアコンはギリギリにしか使わない悠真。

車内温度がデジタル表示される高級車。

レンタルなのに贅沢だ。

サービスエリアでガソリンを入れる。


「アイスでも食うか?」


首を横に振る。

マスカットのソフトクリーム…。

多分、岡山に行けばどこにでもあると思う。


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