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振り向けば…
第18章 私自身を…



車は順調に大阪に着く。


「うどんでも食うて帰ろや。」


悠真がそう言うから夕食はうどんを食べる。


「まだ夕べの肉が残ってる感じがする。」

「食い過ぎや。」

「でも、また行きたいな。」

「うん…。」


悠真がまた旅行しようと私を誘う。

これじゃ、私に彼氏は出来ない?

今は、それでええと思う。

本当に好きな人が出来た時に悠真の事を考えるべきだと恋愛から逃げる私が居た。

うどん屋を出て悠真がまた車を走らせる。


「着いたぞ。」


その場所は私の家の前…。

てっきり悠真の家に帰ると思うてた。


「俺はオカンに土産を渡して来る。来夢は疲れてるやろうから、ゆっくり休めよ。」

「う…ん…。」


明日までは休みなのに…。

悠真との時間が終わる。

あっという間の2日間だった。

私が車を降りたら車はアパートに向かう。

家族旅行…。

昔っから、家族旅行の後は私と悠真は別々の家へと帰る。

他人だから…。

少し胸が痛くなった。


「岡山は楽しかったか?」


お土産の桃を食べながらお父さんが聞いて来る。


「うん、凄いええ旅館やったよ。お肉がいっぱいやったわ。」

「ほな、今度は家族で行こか?」


お父さんがそう言うのにお母さんは苦笑い。

家族旅行なんかもう何年もしてない。

来人が行かないと言うからだ。

医大で勉強に忙しい来人は私達だけで勝手に行けと冷たく言う。

それだから、私と悠真が旅行しても何も言わない。

お父さんだって仕事でフラフラと地方に行き、居なくなる日がある。

お父さんが居るのに…。

バラバラの家族に息が詰まる。


「疲れたから、もう寝るよ。」


家族に背を向ける私が居た。


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