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振り向けば…
第19章 ここまでだな…



悠真の気持ちはわかる。

私も仕事で遅くなって1人のご飯だと食欲を失くしたりする。

うちのお母さんは来人に食事の時間を合わせる人だから…。

飲茶を食べながら悠真に


「結婚でもしたら?それなら奥さんがご飯作ってくれるよ。」


何気なく言うた言葉だった。


「考えとくわ…。」


真面目な顔で私を見て答えた悠真に胸が痛くなる。


「ご飯を作るのが上手な人だといいね…。」

「その前に来夢も彼氏くらい作れよ。」


傍から見れば恋人に見えてもおかしくない2人がおかしな会話を繰り広げる。


「子供は?」

「とりあえずは1人。2人目は状況の判断が必要な時代やからな。」

「無理に作ると教育とか大変な時代やからなぁ。」

「やっぱり女の子がええよな。」

「だよね。学校は中学から私立がええらしいよ。」

「高校の私立の学費が要らんようになるからか?」

「中学から私立の子は学力が全然違うって来人が言うてたもん。」


彼氏も彼女も居ない男女が何故か家族を作る話には夢中になる。

最後は結局…。


「その前に彼氏やな…。」

「来夢なら、その気になりゃ出来るやろ?」

「社長様様の悠真の方が楽勝やろ?」

「女は面倒やから…、今は要らん。」


切ない顔をする悠真に哀しい気持ちになった。

だから翌日は夕方に悠真の家に行く。

黙って冷蔵庫に温めるだけで食べられる食事を詰め込んでやる。

私が来た事はわかってても仕事に集中する悠真は仕事部屋から出て来ない。

そして3日後…。


『飯、助かった。ありがとうな。』


とメッセージだけが来る。

悠真の仕事が無事に終わったのだとホッと一安心する私が居た。


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