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振り向けば…
第19章 ここまでだな…



1時間後…。


「OK、飯に行くか?」


やっと、いつもの悠真が帰って来た。

お腹が空き過ぎた私は半死状態。


「来夢?飲茶が食いたいんやろ?」

「さっさと連れてけや!」


次回からは悠真がスランプの時はさっさと見捨てて自分の家に帰ろうと決意した。


「まぁ、そうキレんなって…、吐くほど食わしたるさかいに…。」


私の車を運転して悠真が私を宥めて来る。

言われんでも食べ放題やから吐くほど食べるわい!

既に夜の9時…。

ダイエットなんかしてたら絶食する時間や。

私のお腹はひたすらくうくうと鳴り続ける。


「そんなに腹が減ってたんか?」

「こちとら現場やぞ!家でゴロゴロして仕事してる奴と一緒にすんな!」

「最近の来夢はすっかりガテン系のオッサンになったなぁ…。」


茶化すように言う悠真の言葉にイライラする。

可愛い女なんか意味ないくせに…。

ふんと鼻を鳴らして悠真からそっぽを向く。


「悪かったて…、ほんまにごめんなさい。なんなら明日も来夢の好きなところに連れてってたる。」


必殺、悠真の平謝り…。


「明日はええよ。今夜はご飯食べたら帰る。悠真は仕事するんやろ?」

「うん…、ほんまに悪いな。」


悠真が寂しい笑顔を見せる。

何故か、それがカッコええとか思うてまう。

仕事に集中する姿…。

今夜の悠真は徹夜で仕事をするつもりだと感じた。

きっと、この一週間くらいはスランプでろくなご飯を食べてなかったのだとも思う。

よく見れば少しやつれ気味の悠真…。


「仕事もええけど…、ご飯は食べや。」

「1人やとなぁ…。」


はにかんで笑いながら悠真が頭を掻いた。


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