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振り向けば…
第20章 久しぶりに…



不意に肩を叩かれた。

振り返るとそこには苦笑いをする陸斗さん。


「陸斗さん…。」

「裏…、来ませんか?」


陸斗さんの案内でお肉の3R目は見ずに悠真と裏方へと向かった。


「不細工な試合を見せてもうた。」


海斗さんが凹んでる。

カッコええばかりを意識する海斗さんは逆に焦って力んで失敗したという。


「会長達にめちゃくちゃ怒られたんだよ。」


陸斗さんがクスクスと笑い声を立てる。


「監督さんやん!」


裏方の通路に立つ私の後ろから女の人の声がする。


「奈緒(なお)さん、お疲れ様です。」


その声の主に頭を下げた。


「海(うみ)っ!監督さんにチケット買うて貰っといてみっともないわ!」

「ごめんなさい、本当にすんません。」


奈緒さんと海斗さんが私と悠真みたいな会話をする。

茶髪のショートヘアーにジムのTシャツを着た男勝りの奈緒さん。

大きな目をクリクリとさせた可愛らしい人だ。

悠真だけが状況がわからずにポカンとする。


「奈緒さん…、海斗さんの婚約者。」


そう悠真に説明をする。

奈緒さんと海斗さんは生まれた時からの幼なじみ。

誕生日が1日違いで同じ病院で生まれた2人。

時々、現場に来る奈緒さんとは既に私は顔馴染み。

海斗さんのファイトマネーは結婚費用に奈緒さんが管理して貯金中と聞いた。


「森本さんとこも幼なじみなんやて…。」


海斗さんがニヤニヤとして悠真の事を奈緒さんに説明する。


「だから、うちは海斗さん達とは違いますって…。」

「違うんか?」

「家族感覚です。」

「なら同じやん?」

「違います。」


そんな会話を繰り返す。


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