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振り向けば…
第21章 喋れば変態…
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仕事納め…。
午前中は現場の安全確認をする。
お正月休みの間に勝手に侵入者が入り、ボヤなどの火事を出されたら堪らない。
イタズラで入り込む子供も居る。
重機の盗難なども起きる現場もある。
そういう事が発生しないような体制を取るのが私の仕事だからと現場の状況を確認する。
「お疲れ様さん。」
この年末で私の現場での仕事が終わった海斗さんが声を掛けて来る。
「お疲れ様でした。」
「また、次の現場で会うたら、よろしくな。」
「またチケット買いますよ。」
30歳でファイターを辞める予定の海斗さん。
気が早いかもしれないけど既に引退試合の予約をしてある。
「この前の彼氏と見に来たってや。」
「彼氏じゃありません。」
「でも、仲良しやろ?」
「そりゃ…。」
「幼なじみって、そういうもんや。こっちが色々と言わんでも全部わかってくれとる、有難い存在や。」
海斗さんの言葉に頷いた。
午後は会社に戻り報告書を作成する。
「誰も手伝ってくれへんし…。」
事務のおばさん達がブツブツと言いながら社内の大掃除をしてる。
「報告書が終わったら手伝いますよ。」
私がそう言うた瞬間…。
「悪いけど森本さんはこっちの手伝いをして貰わなあかんねん。」
と社長さんが言う。
「私が…?」
「在庫確認。森本さんにも把握してて欲しいから。」
会社の裏にある倉庫には建築資材が納められてる。
工事部の人がその資材の整理をしながら、在庫確認をしている真最中。
現場監督をする立場の私と宮崎さんでその資材の把握をして欲しいと社長さんから頼まれた。
なんだかんだとやる事が多く、会社を出たのは夜の7時を過ぎてた。
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