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振り向けば…
第24章 坊やだからさ…



「来夢は欲張りやな…。」


悠真がふふふと笑う。


「だって、せっかく行くねんで?」

「もし全部が見れなかったら、また行けばええだけやろ?」

「2回目に行くなら違うところに行きたいやん?」


北海道や沖縄…。

群馬や静岡…。

関西でも奈良や京都にもっと行きたいとか考える。


「ゆっくりと行こうや。」


悠真が私の頭を撫でてそう言うた。

焦る私に必ずブレーキをかけるのが悠真の役目。

悠真は悠真で私が居なければ出掛けるのを面倒臭がるから私が居た方がええと言う。


「なぁ、悠真…。」

「今日も俺のベッドか?」

「うん!」


子供扱いされようがなんだろうが旅行前で興奮をしてる私は悠真と寝る方がよく眠れる。


「寒くないか?」

「うん!」


エアコンは私の快適温度。

しかも、ぬくぬくの悠真君。


「しっかり寝ろよ…。」

「うん!」


寝不足の旅行なんか嫌だと思う。

悠真の旅行はいつだって至れり尽くせりなのだから少しでも体調を崩すとかしたくない。

なのに…。

深夜に目が覚めた。


「ゆう…。」


返事があるはずない。

悠真がまたしてもベッドに居ない。

とりあえず、トイレを済ませてベッドに戻る。

もしかして悠真は自分の仕事が気になって眠れないんだろうか?

私が悠真の仕事の邪魔をしてるの?

自分の体調管理に失敗したから、そんな風に考えて凹んでまう。

悠真…。

邪魔なら邪魔や言うてや…。

泣きたい気分のまま、無理矢理に目を閉じて眠る。

朝になり再び目が覚めた。


「ゆう…?」

「ん?起きたか?」


私を覗き込んだ悠真にしがみつく。


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