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振り向けば…
第24章 坊やだからさ…



悠真が一瞬、驚いた顔をする。


「まだ寝ぼけとんのか?」


私の頭を撫でてクスクスと笑う。


「夕べ、悠真が居なかった。」

「ああ、来夢もトイレに起きたやろ?俺もトイレで起きて喉乾いたから台所で水飲んでた。」


嘘だ…。

台所には誰も居なかった。

悠真は仕事部屋に居たじゃん。

それが言えないから悲しくなる。


「悠真…、本当は仕事が心配なんか?」

「別に?俺の場合、終わった仕事は俺の手から離れてクライアントのものになるからな。」

「でも…。」


それ以上の事が言えない。

私は悠真の邪魔になってるの?

怖くて聞けない言葉…。


「来夢さん…。」

「ん?」

「朝から、あまり刺激されると僕は出掛けられなくなります。」

「へ?」


悠真のトランクスがテントを張ってくれてる。


「スケベ!変態!」

「朝勃ちは生理現象じゃ!」

「知るか!」

「ちょっとは労わってくれよ…。」


悠真が私の顔を持ち上げる。


「ゆう…?」


キスされた。

深くて優しいキスだった。

唇を喰まれ、舌で舐められて味わうようなキス…。

恋人ならきっと最高のキスだろうと感じる。

頭が熱くなる。

息をする事すら忘れそうになる。

ゆっくりと悠真が離れた。


「ご馳走様。」


ニヤリと悠真が笑うてた。

はぁ?

今のキスはおふざけなんか?

なんとなくムカついた。


「朝っぱらから何を考えてんのよ!?」

「坊やだからさ…。」

「やかましいわい!」


私だけがドキドキとしてふざける悠真を蹴飛ばした。

今日からの旅行…。

朝からのキスに私だけが悠真に対して胸が高鳴り緊張する。

そんなお盆休みの始まりだった。


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