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振り向けば…
第25章 深いよ…



全部を食べる事が出来ない私の分を悠真が食べる。


「そんで…、篤姫って誰?」

「13代の徳川 家定の正室。15代が大政奉還するのに尽力した事で有名な女性や。」

「二条城のやつか?」

「それはさすがに来夢も知っとったか。」

「うん、大政奉還がなんなんかは知らんけどな。」


悠真が呆れた顔をする。


「しばらく映画は歴史物を観せたろか?」

「大河ドラマみたいなん?」

「大奥とか色々あるからな。」


アイスを食べた悠真が城山へと向かう。

そこにはやっぱり篤姫の銅像がある。


「姫?」

「姫や。」


どう見てもオッサン顔に作られた銅像。

キリッとしてて着物を着てどっしりと座ってるイケメンな銅像にしか見えない。


「姫なら、もっと可愛く作って欲しかったよね。」


思わず篤姫にそう言うてた。


「強い女性の象徴やからな。」


強い女性はムキムキなのだと初めて悟る事になる。

強くはなりたいけどムキムキのオッサンになるのは嫌だとか考える。

一通り城跡を観て回り、そこからほんの少しだけ移動をして悠真と今夜の宿へと向かう事にした。


「ホテル…?」


悠真にしては珍しいと思う。

食事が中心の悠真が好む旅行は旅館での至れり尽くせりな料理が中心のはず。


「晩飯は外で食う。鹿児島は美味い店が山ほどあるらしいからな。」


そう言うた悠真がひとまずお風呂に行こうと言う。

部屋も普通のツインルーム…。

今回の旅行はケチったか?

いや、飛行機は一応ファーストクラスだった。

私だから適当?

悠真と別れて女風呂へと向かう。

ご飯を外で食べるから着替えの浴衣は着るなと悠真が言うてた。

だから悠真が旅行用に買うてくれたワンピースを持って行く。


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