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魔法使いで紳士なヴァンパイア
第15章 心の行方


隣に座った彼女を見ると
耳まで赤くなっている。

『酔おたん?』

彼女を覗き込みながら声を掛けた。

『ん〜…。ちょっと…?』

俺を見ながら困った様に笑う。

『唐揚げ食えや酔い覚めるで』

嘘やけどイタズラしたくて彼女の口に
唐揚げを近づけた。

1口かじるともぐもぐとする。
彼女がかじった唐揚げを
俺はそのまま食べた。

彼女は潤んだ瞳で俺を見つめる。

『…?どした?』

『…んーん。』

何だかふわふわとしている
彼女の手を握った。

『…ツカサ?』

『ん?』

『……手…。』

『いやなん?』

『…そんな事ない』

照れて俯いた彼女は絡めた指に力を入れた。

あんな話聞いた後に
冷たくなんて出来ない。
別に何かしたい訳でもないけど。
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