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魔法使いで紳士なヴァンパイア
第15章 心の行方
朝から張り切ってしまった…。
疲れた身体に休息を…
『レイナ灰皿ないん?』
彼女の髪を撫でながら聞いた。
『ある訳ないでしょ?』
『…買って置いとけや』
『また来るの?』
『アカンの?』
『…そんな事ないけど。』
彼女を抱き締め
顔を見られないようにする。
『俺…レイナを彼女にする気はない。』
『……知ってるよ』
『でも、お前が泣きたいなら
俺を呼べばいい』
『…え?』
『俺がいくらでも慰めてやるから』
『………。』
『俺が傍に着いててやる。
レイナだけの特別になりたいねん。』
『……キープ?』
『…ちょっと違う』
まだしっくりくる答えが見えない。
だけど哀しむ姿は見たくない。
俺の心はゆらゆらと揺れ続ける。