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魔法使いで紳士なヴァンパイア
第29章 言い訳


仕方ない天保山でええか…。

車を走らせる。

彼女は後部座席にショップバッグを置くと
自分のバッグを開いてメイクを直す。

『あっ!』

口紅の蓋を落とす彼女。

『もう着くからちょい待て』

俺が駐車スペースに停めると
彼女は探し始める。

『あれー?何処だろ…』

助手席の椅子の下を手で探る。

『……。』

『あったか?』

『…うん。ついでにコレも見つけた』

彼女の手を見ると小さめの指輪があった。

『……なにこれ?』

『……さぁ?』

『誰の?』

『メグのちゃうの…?』

『メグこんなの持ってない』

『……。』

『ねぇ誰の?』

レイナ?ミオ?わからん…

『おかん!』
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